(有)二階堂商店

しもたや。

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リスペクト、若しくは拙文

絶賛放置中のおっさんSSなんですが、こういうときは身をry
ではなく、書きたいところから書けってばっちゃが言ってたっぽいので書けるところから書きました。


今回はぱぱんに怒られそうな回。





さて、本文の前に。

今回は本編から微妙に外れています。
本編ではあまり触れない予定の「彼らがオーバードに参加し始めたあたり」のお話。
私は導入がマジ苦手なので、あえてぶっ飛ばす前提でプロット組んでみてるんですが、そこんところやってみたらどうなのよ、ってお話なのです。

本編も進んでないのにサイドストーリーとかないわ!ないわ!


でも載せちゃう。

では以下、本文どぞー








「ALICE……確かあなた、そういいましたね?」
彼女は、顔を上げないままそう言いました。
「あ……はい。マスターはいつも‘アリー‘って呼んで下さいますけど」
「アリー……なるほど。イタリアに縁あれば、といった所でしょうか」
私にはよく判りませんでしたが、彼女は手にしていた端末を置くと、視線はそのままに、いいセンスをお持ちのようですね、と呟きました。
マスターのことを褒めていただけるのはとても気分がいいことです。
名前の意味は私には判りませんでしたが、誰かが私を呼んでくれるたび、マスターがくれたこの名前を大切にしたいと、そう思います。
「……始まるぞ。少年」
降ってきた声に顔を上げると、いつの間にかマスターと、彼女のオーナーさんが戻ってきていました。
「オーナー、買い食いは控えるのではなかったのですか」
「何を言う。腹ごしらえをしておくのは戦士の基本だ。喰えるときに喰う」
「戦うのはオーナーではありません」
「ファイターが戦士なら、セコンドも同じく」
彼女とオーナーさんは、お互い顔をあわせることなく会話を続けています。
マスターはじっとオーロラモニターを見つめていましたが、ふと、私に視線を向けて下さいました。
「アリー、見ておこう。これが、僕たちがこれから戦う相手のほんの一部なんだ」
「……はい、マスター」
新しいクラス、新しいフィールド。
今までに見たことのないモノが待っているはずだと、マスターは言っていました。
私の知らない、ナニカ……
「集中しなさい。おそらく、決定打は一瞬です」
フィールドに上がってきたのは、白い装甲の神姫。白銀に輝くそれに互いを映し出しながら、システムコールを待っていました。




「今日こそはてってーてきに叩きのめしてやっからな。覚悟しやがれこの×××××メローが」
身の丈を超える巨大な戦斧を担いだ、赤いメッシュの神姫が吼える。
変則的な装甲パターンは彼女のためにあつらえられたハンドメイド。
本来のものに加え、右手の戦斧に対するカウンターウエイトとして考案された‘片羽‘。
「そういうわけには行きません」
対するのは蒼いメッシュの神姫。
身体を覆うように配された薄い装甲。
防御を捨て、全身を翼に変える‘薄翼‘
それは、ただ白を退けるためだけに生み出された白。
二つの白は混じり合うことなく、狼煙が上がるのをひたすらに待っていた。



『バトルシステムをスタートします』



開始と同時に、二体は猛然と機動をはじめました。
赤の神姫は空冷機構の空気圧を利用して一気に突進、距離を詰めようとします。
青の神姫は、まるで爆発のような炎を伴って、吹き飛ばされるかのように回り込みます。
私の知るどんなバトルよりすばやく、二機の距離は目まぐるしく変化し、その展開は規則性を持ちません。
バトルロンドとは根本的に違う……もっとリアルタイムな。



「こんの、ちょろちょろすんじゃねーよ!」
射撃武器を持たない彼女は、凄まじいスピードで飛び回る相手を捉えあぐねていた。
「立ち止まらないことは機動戦闘の基本です」
「うっせ、判ってんだよそれくらい!」
捉えさえすれば。届きさえすれば。
あの脆弱な装甲など、彼女の「獲物」の前では紙ほどの強度すらない。
ただ、真っ直ぐに追いかけていては。
「ッ!」
やたらに遅く、重い弾丸が装甲を抉る。
手が届く一瞬。すれ違いざまに掃射を浴びてしまう。
戦斧をかざし、射線を塞ぐが数発は命中していた。
性能を維持するため、自動的に冷却が行われるが、いつもより冷却液の減少が激しい。
「テメー、やりやがったな!」
気温も上がり続けている。
彼女にとって、熱量の蓄積は命取りになる。なぜなら……



「要するに、サエさんはロッカさんを倒すためだけに訓練された神姫……」
「つまり、そういうことだ」
オーナーさんはオーロラモニターを見上げ、腕組をしてそうおっしゃいました。
「アリーさん」
「はい?」
彼女は手元の端末をじっと覗きながら、囁くように私を呼びました。
見てみれば、彼女の端末にも同じ試合の映像が映し出されていました。
「判らないという顔ですね」
「……そ、そうですか?」
「えぇ。オーナーの表現は一種独特ですし……まだ白魔型とは当たったことがないのでしょう」
「あ……はい」
白魔……そういえばロッカさんは白魔型の神姫なんですよね。
白い六角形の装甲はとても硬く、高威力スキルでも簡単には撃ち貫けない。
極低温に保たれた表面に触れたものは悉く凍りつき、まるで雪崩に飲まれたかのごとく身動きさえ出来ないまま敗北する。
「掻い摘んで言えば、白魔型のほぼ唯一にして最大の弱点。ただそこだけを徹底的に追求したのがサエのコンセプトだ、ということです」
彼女が言うには、神姫からかけ離れた火力を持つネクストの武装でさえ、白魔型の装甲を貫く事が出来なかった。
ただ一度だけ、あっけなく決着が付いたことがある。
オーバードクラスにあるサドンデスマッチ。機動力に優れるネクスト、鉄壁の白魔型。
長時間に及んだ試合はたった一発の、偶然命中した速射ライフル弾で終わってしまった。
「装甲という手ごたえさえありませんでした。本命はまだ残してはいたのですが、牽制のために撃ったものが致命傷になるなど……考えられないことです」
「それで……」
「そのときの状況を考えれば単純なことでした。冷却機構に何らかの問題が生じ、装甲面の低温を維持できなくなっていた。私のセンサーにも感知されていたのですが、それがあの状況につながっているとは思えなかったのです」
「高温では……雪は融けてしまう……?」
「そういうことでしょうか。原理はわかりませんが。」
逃げるサエさん、追うロッカさん。
何度もサエさんの放つ爆炎に飛び込むロッカさん。
彼女の、オーナーさんの言うことが本当なら、決着はあっけなく訪れる――。



冷却可能時間はほとんど残されていないはず。
仮説が正しければ、あの装甲はまもなく限界を迎え、性能を維持できなくなる。
機動性、防御力、さらに攻撃と、その全てを担う根幹機能を失えばもはや戦闘を継続することはままならない。
「おいテメー、いつまで逃げるつもりだ?」
「時間一杯まで。私は他に手を知りません」
戦斧のスピードは、落ちるどころか上昇を続けている。
一瞬のミスも許すことはできない。それが機動戦闘の慣わし。
それが、「彼女」から学んだこと。
「びびってんじゃねーぞ。ちょっとは真面目にやり合ったらどうなんだよ、えぇ?」
彼女はあえて足を止め、戦斧を両手に構えなおす。
私が接近を避けているのを、なおかつ接近を試みているのを理解している。
牽制に撃った弾丸など簡単に受け止められる。彼女はそれを理解している。
ならば。
「いいでしょう。乗ります」
かつて見た、騎士のように。
「そうでなくっちゃな……行くぜ!」



「まずい傾向だな」
彼女のオーナーさんは、苦い顔でオーロラモニターを見上げていました。
「機動性のために装甲を捨ててるんだ。足を止めたら即アウトだろ」
「果たして……そうでしょうか」
彼女は手元の端末をじっと見つめ、呟きました。
「……どういう、ことですか?」
「あの子達はね、きっとああしないと納得できないのさ」
不意に降った声。背の高い、電柱のような男の人がそこに立っていました。
「プライドか」
「少し違うもののような気がしますよ、僕は」
「……時間一杯。次が最後だぞ」
数度の対峙を経て、まだ堕ちずにいる二人が互いを見据えています。



一度目はかわした。
二度目は受けきった。
三度目は回り込まれた――回り込ませた。
単純なスピードではやっぱり敵わない。
あのスピードを超えるには。何か切り札が必要だ。
「時間がありません。私の勝ちになりそうです」
「んだとてめー、まだ終わってねぇんだぞ」
このままだと判定負け……悔しいけど、あのメローの言うとおりだ。
でもな。
「最後の一秒までやってやんよ!」
全推力を後方に振り向け、最大加速。
瞬発力だってあいつには敵いっこない。
それでも、可能性があるなら全部試してやる。



これが驚愕するということ――
反応が一瞬遅れた。乱数回避……間に合わない。
彼女は、あの戦斧を捨てた。
それだけじゃない。片羽を残し、装甲をパージしている。
慣性で飛び込んでくる装甲片はさながら吹雪の如く。
とはいえ、命中してもダメージなど――
「え……?」
装甲片がこびり付く。瞬間冷却による定着?
「ぶっ飛べってんだよぉぉッ!」
片羽をはばたかせ、彼女が飛び込んでくる。
回避……バランサ調整……とにかく距離を……
「くぉんのぉぉぉ!」
白い翼は私を強く打ち据える。急所は何とかかわしたけど、一瞬視界が混濁しセンサーが異常数値を吐き出す。
体制を立て直すべく機動する。予想した相手の位置は……位置情報に誤差?
「堕ちろぉぉぉ!」
頭上から注ぐ絶叫。捨てたはずの戦斧を掲げ、彼女が跳躍しました。
機動……バランス異常?
私の左腕に、あの片羽がそっくりそのまま生えていました。
あれは攻撃ではなく、デッドウエイトを与えるため?
咄嗟にその羽を掲げ、盾にする。
私はそのとき失念していたようです。
もうこの装甲に十分な機能は残されていなかったこと。
その瞬間は、ほぼ同時に。



『バトルシステムを終了します。ブルーサイド、サエの勝利です』



無言でした。
その場にいた誰もが、ただ一言も発することが出来ませんでした。
「……あぁ、時間切れですね」
電柱のような男の人は、わしわしと頭を掻きながらため息混じりに言いました。
この人がロッカさんのマスターさんなんでしょうか。
「間一髪、というところか」
「そうみたいですね。いやぁ、もうちょっとだったんだけどなぁ」
そのまま二人は、今の試合についてあれこれと話し込み始めました。
私と、マスターはずっとモニターを見詰めたまま、何も言えずにいました。
勝ったはずの神姫が膝をつき、負けたはずの神姫が勝鬨を上げる。
いえ……もっと、何か後悔のようなものが込められた、寂しい声のように聞こえました。
「あの子も変な所でこだわりますからね。もう少し早く決断できてれば勝てたんですけどねぇ」
「こだわり、か。なるほど、面白いじゃないか青年。何体か白魔型も見てきたが、ああいうタイプはそう居ない」
「はは、そういってもらえると有難いですよ」
モニターは一度消え、薄暗い背景に切り替わりました。
今の試合のログがゆっくりと流れ始めます。
「理解していただけましたか」
端末を握り締めたまま、彼女が呟きます。
「あれが、私たちのフィールド。オーバードのやり方です」
さっきと違い、手が猛然と動いていました。
目は端末の小さな画面を捉え、声は私を射抜くように向けられていました。
「あなた方が求めるものが、ここで得られると良いですね」
「ありがとう。できるかどうかは解らないけど、できるだけのことをやってみるよ」
私より先に、マスターが答えていました。
私が言いたかったこと、全部。
「さて、一度引き上げるぞ少年」
「引き上げる?」
「そうだ。そのままの装備じゃとてもここではやっていけない。うちで適当な物を見繕ってやるから、試してみるといい」
オーナーさんが差し出した手を避けて、彼女は腕から肩へと上っていました。
「はい。でも……」
「何、気にするな。うちに試したい試作品がいくつかあってな。それで良ければタダでくれてやる。もちろんオーバード基準

の代物だ。気に入ったのがあれば、の話だがな」
「……はい。ありがとうございます」
「良い返事だな。期待できそうだ」
オーナーさんはそういうと足早にホールを後にします。これからサエさんと合流して、それから――
「アリー、がんばろうな」
「……はい、マスター」
新しいクラス、新しいフィールド。
私は、私たちはようやくその入り口にたどり着いた。
これから、また始まるんだ。






ハイここまでー。
読んでくださった方、乙。

とりあえずぱぱんごめんなさい。
本編ではちゃんと見せ場作りますマジで。



以上、おっさんの垂れ流しのコーナーでした。
nikaidouの | コメント:3 | トラックバック:0 |
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コメント

なぜ苦手と仰るのかわからないくらいすんなりと楽しませて頂きましたっ。
あ、苦心されたが故の読みやすさなのか…粗忽者ですみませんorz

「怒られそう」との前置きでロッカさんは苦汁を飲む結果になるのかと思いきや、あれ、もしやいけちゃう!? …とすっかり術中にはまってしまいましたw
サエさんはもちろんですが、自分にはロッカさんもカッコよく映りましたよ!

本編もまったりお待ちしております~。サイドストーリーだって大歓迎です(*´∀`*)
2010-01-29 Fri 02:53 | URL | 烏丸 賽 [ 編集 ]
ロッカさんの活躍に関しては、結構十分なレベルで描かれているとは思います。
むしろ、これを乗り越えて成長する方が美しいと思う。

んで、唯一突っ込む所。
・【KS】について注釈
低温状態にある時、形状記憶により状態が復元されるため、高い耐久性を誇るのが特徴です。
が、冷却液は常時使用しているものではなく、損傷を受ける際に傷や歪みを修復するのに適宜使用する物。
※常に損傷する可能性がある戦闘時はある程度常時仕様になりますが。
そして冷却液が使用されなくても、下手な装甲よりは強固な素材です。
形状記憶合金の一種であるKSの、形状記憶の再生条件が低温、というだけなのです。
なので、冷却液がただ枯渇しただけならば、機関銃程度では簡単には砕けませんよー。

うん。
これだけは言わないといけない事でしたので。
よろしくお願いいたします。
2010-02-08 Mon 09:55 | URL | 東雲 [ 編集 ]
>>烏丸さま
読みやすくはないと思うんだあたし。

>術中
あたしは別に白魔びいきとかでもないので、この結果で怒られることもなかろうと思っておりました。
どっちかって言うと↑のコメントのようなところで起こられそうダナーと。
ぎりぎりの試合を表現したかっただけなので、ああいう形にしてみました。


>>ののめぱぱん
おk、把握した。本編で何とかする。


2010-02-08 Mon 11:09 | URL | nikaidou [ 編集 ]

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